Chapter 01 貓（ねこ）とつながる僕（ぼく）の日（にち）常（じょう）

貓與我的日常

●　中（ちゅう）國（ごく）で行（おこな）われたあるアンケートで「日（に）本（ほん）人（じん）が一（いち）番（ばん）好（す）きな動物（どうぶつ）はどれなのか」という項目（こうもく）にその答（こた）えで最（もっと）も多（おお）かったのが「貓（ねこ）」だ。中（ちゅう）國（ごく）人（じん）が持（も）つ貓（ねこ）のイメージにはおそらく日（に）本（ほん）でのそれと同じ（おな）く人懐（ひとなつ）こくて甘（あま）えん坊（ぼう）な性格（せいかく）だ。日（に）本（ほん）発（はつ）の貓（ねこ）のイメージは日（に）本（ほん）を知（し）ることへの過（か）程（てい）で強（きょう）化（か）されてきたという事（じ）実（じつ）もある。

●　在中國進行的民意調查表明，認為“日本人最喜歡的動物是貓”的人占多數。中國人對貓的性格的印象大概跟日本人一樣，都是撒嬌與纏人。從日本建立起來的有關貓的印象在了解日本的過程中得到了強化。

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アンケート（【法】enquête）/（名）問卷調查；征詢意見

イメージ（image）/（名）（心中的）形象；圖像

同（おな）じく/（接続）同，又；（副）同樣

人（ひと）懐（なつ）こい/（形）（孩子或小動物）容易和人親近的，不認生的

甘（あま）えん坊（ぼう）/（名）撒嬌的孩子

（彭佳敏、鄭景方、郭衛寧）

●　日（に）本（ほん）の貓（ねこ）は中（ちゅう）國（ごく）で大（だい）人（にん）気（き）、亡（な）き駅（えき）長（ちょう）のタマちゃんも有名（ゆうめい）。なぜか。われわれ人間（にんげん）は死（し）を避（さ）けようとする本能（ほんのう）を持（も）っている。貓（ねこ）もそう。しかし死（し）ぬ間（ま）際（ぎわ）の貓（ねこ）が恐（きょう）怖（ふ）を感（かん）じているように見（み）えない。恐（きょう）怖（ふ）心（しん）を抱（いだ）く間（ま）もなく命（いのち）が盡（つ）きてしまうからあきらめておく。日（に）本（ほん）人（じん）と同（おな）じように無（む）常（じょう）の気（き）持（も）ちで世（せ）界（かい）を見（み）ているのか。

●　日本的貓在中國的人氣很高。已故貓站長小玉也很有名。這是為什么呢？我們人類有一種回避死亡的本能，貓也如此。不過，臨終的貓看上去并不覺得恐懼。一個懷有恐懼之心的生命是不值得推崇的。跟日本人一樣，貓是不是也在以無常之心看待這個世界呢？

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亡（な）き駅（えきち）長（ょう）/（名）已故站長

避（さ）ける/（他Ⅱ）避開，避免；不介入

間（まぎ）際（わ）/（名）正要……時候；緊挨

抱（いだ）く/（他Ⅰ）抱；懷有

間（ま）もなく/（副）不一會兒

盡（つ）きる/（自Ⅱ）罄盡；到頭

諦（あきら）める/（他Ⅱ）（原為佛教語，意為把握真實、斷絕貪戀）斷念；放棄

～ようとする/（動詞意志形+とする，表示努力嘗試做某一行為）想要……

てしまう/（動詞て形+しまう，表示動作、作用全部結束）……完，……了

ておく/動詞て形+おく。（1）表示事先做好某種準備。預先……好，（做）……好。（2）使某種狀態持續。

（彭佳敏、鄭景方、郭衛寧）

●　生物學（せいぶつがく）のレベルではないが、人（ひと）は人（ひと）以（い）外（がい）の生物（せいぶつ）を同（おな）じように見（み）ることがあるのではないのか。単（たん）なる「この世（よ）に生（う）まれて生（い）きて、そして死（し）ぬ」という意（い）味（み）で、貓（ねこ）も人（ひと）もまったく同（おな）じだ。貓（ねこ）の生（い）きざまをよく見（み）ていると自（し）然（ぜん）と自（じ）分（ぶん）に重（かさ）ね、人（ひと）はこんな風（ふう）に生（い）きられるのかと考（かんが）える。意（い）外（がい）にシンプルだな。

●　這不是從生物學的角度而言的，但凡是人，看人之外的生物也是同樣的。單從“生于此世，也死于此世”的意義上說，人與貓皆如此。仔細觀察貓的活法，很容易就會將貓跟自己重疊，發現人也是這么活著的。這很簡單，也很令人意外。

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単（たん）なる/（連體）僅僅，只是

生（い）きざま/（名）生存方式

重（かさ）ねる/（他Ⅱ）多次；重疊起來

シンプル（simple）/（形）簡單的；質樸的

ことがある/（表示有時或偶然會出現某種事情）有時……，偶然……

（彭佳敏、鄭景方、郭衛寧）

●　どの國（くに）であっでも、たぶん貓（ねこ）には相（あい）手（て）が必要（ひつよう）であろう、ある特別（とくべつ）な場（ば）所（しょ）を除（のぞ）いては。北（ぺ）京（きん）市（し）內（ない）でもっとも切実（せつじつ）に「貓（ねこ）」が熱（あつ）く語（かた）られていくのはたぶん観（かん）復（ふく）博（はく）物（ぶつ）館（かん）だと思（おも）っている。館（かん）長（ちょう）さんも貓（ねこ）だというから、心（こころ）のどこかでココが好（す）きになることが避（さ）けられない気（き）もした。いいことだな。

●　無論在什么國家，除了特殊的場合，貓都是需要同伴的。北京市內，最真切地談論貓的地方大約就是觀復博物館了。因為館長也是貓，所以免不了會從內心喜歡上這里，這是挺好的事情。

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相（あい）手（て）/（名）伙伴；對手；對象

除（のぞ）く/（他Ⅰ）除去，……除外

切（せつ）実（じつ）/（形動）迫切；切實

語（かた）る/（他Ⅰ）講述；說唱

観（かん）復（ふく）博（はく）物（ぶつ）館（かん）/（名）觀復博物館

気（き）がする/（慣用）心里感到；總覺得；有心思

（彭佳敏、鄭景方、郭衛寧）

●　ここ數（すう）年（ねん）、北京に戻（もど）ると、宿（やど）はいつも建國（けんこく）飯店（はんてん）に決（き）まっている。生（う）まれ育（そだ）ちのエリアでもあるし、何（なに）より「地気（ちき）」というものを強（つよ）く感（かん）じたからだ。そして、近（ちか）くの貓（ねこ）ちゃんと親（した）しくなったということもここを常（じょう）住（じゅう）の宿（やど）にしたもう一つの理（り）由（ゆう）だったかもしれない。僕（ぼく）の故（こ）郷（きょう）、北京。貓（ねこ）のいる日（ひ）はいつもいい日（ひ）だ。

●　這些年一回北京，必定住在建國飯店，因為這是我從小長大的地方，在這里我能強烈地感到“地氣”。另外，跟附近的貓越來越熟悉也許是我常住這里的另一個理由。我的故鄉是北京。有貓的日子是好日子。

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宿（やど）/（名）旅館，投宿的地方

生（う）まれ育（そだ）ち/（名）成長，生長；生物逐漸長大并成熟

何（なに）より/（連語）比什么（都好）；實在；最

地（ち）気（き）/（名）地氣，大地的生氣

～に決まっている/一定、肯定

～かもしれない/也許、可能、沒準兒

（彭佳敏、鄭景方、郭衛寧）

●　貓（ねこ）は、好（す）かれたいという気持（きも）ちを持（も）っているわけではない。何（なに）によりも快適（かいてき）だと感（かん）じる人（ひと）の近（ちか）くに寄（よ）ってくるというから、妙（みょう）に納（なっ）得（とく）した。というのも、本日（ほんじつ）の散（さん）歩（ぽ）道（みち）で貓（ねこ）も気持（きも）ちよく、すぐそばにいてくれたからとても嬉（うれ）しかった。

●　貓雖然沒有想被誰愛的心情，但喜歡靠近容易親近的人，我覺得這個說法挺對的。今天在散步小路上，有一只貓靠近了我身旁，真讓人高興。

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快（かい）適（てき）/（名·形動）舒適，愜意，心情非常愉快

納（なっ）得（とく）/（名·サ変他）領會；同意；接受

（彭佳敏、鄭景方、郭衛寧）

●　愛（あい）貓（びょう）·クマちゃんが天（てん）國（ごく）に行（い）ってしまい、悲（かな）しい気持（きも）ちから立（た）ち直（なお）るためにイラスト本『我想我貓』を描（えが）くことにした。しかし今年（ことし）多（た）忙（ぼう）で時（じ）間（かん）がとれそうもなく來（らい）年（ねん）までにした。最近（さいきん）散（さん）歩（ぽ）道（みち）でいつも貓（ねこ）と出會（であ）えて、まるで僕（ぼく）のことを知（し）っていたかのように。

●　愛貓阿熊去了天國，為了從悲傷中走出來，我打算畫一個繪本《我想我貓》，不過今年太忙，只能拖到明年。最近總是在散步小路上遇見貓，貓就像察覺了我的一切一樣。

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立（た）ち直（なお）る/（自Ⅰ）恢復；喘息

多（た）忙（ぼう）/（名·形動）繁忙；百忙

～ために/為了……

まるで～ようだ/に/で/像……一樣，……似的

（彭佳敏、鄭景方、郭衛寧）

●　我々（われわれ）夫（ふう）婦（ふ）と15年（ねん）連（つ）れ添（そ）った愛（あい）貓（びょう）に先（さき）立（だ）たれて既（すで）に一年（いちねん）が過（す）ぎた。思（おも）い返（かえ）せば、今（いま）も僕（ぼく）の中（なか）でどこか空洞（くうどう）になったかのような気（き）分（ぶん）だ。表（ひょう）面（めん）上（じょう）は普（ふ）通（つう）の日（にち）常（じょう）だが、內面（ないめん）ではいろんな事（こと）がどうでもよく感（かん）じるようになったかもしれない。落（らく）書（が）き風（ふう）に畫（か）いてみた。

●　跟我們夫婦一起生活了15年的愛貓已經走了整整1年。至今回想起來，我的心中還有某個地方空空的。表面上雖然過著和平常一樣普通的日子，但內心深處似乎對很多事情都變得無所謂了。隨手涂鴉，記錄一下。

●　もう10年（ねん）も過（す）ぎたのか。その當（とう）時（じ）、愛（あい）貓（びょう）クマちゃんはとても元（げん）気（き）だった。連（れん）載（さい）中（ちゅう）の新聞（しんぶん）コラムにも登（とう）場（じょう）させたりした。きっと喜（よろこ）んでもらえるかと思（おも）っていたから、それまで以上（いじょう）にじっくりと観察（かんさつ）することができた。貓（ねこ）って、やっぱりいいものだな。

●　10年都過去了。當時愛貓阿熊很精神，我還讓它登上了報紙的連載。因為覺得它會高興，所以比以往任何時候都仔細地觀察了它。貓，真是好。

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コラム（column）/（名）專欄

登（とう）場（じょう）/（名·サ変自）登場，出場

じっくり/（副）慢慢地，仔細地，不慌不忙地

って/（用于提起某事物作為話題，給其下定義，表述其意義或者對其做出評價等，是比較隨便的口語表達方式）……是……

～ことができる/（表示可以做某動作、行為）能，會，可以……

（彭佳敏、鄭景方、郭衛寧）

●　朝（あさ）はかならずこうである。テーブルの真（ま）正（しょう）面（めん）でじっと僕（ぼく）を見（み）ていたときのこと、少（すこ）しだけ外（そと）の音（おと）の斷（だん）片（ぺん）が耳（みみ）に入（はい）ってくると、ふと振（ふ）り向（む）く。なぜか愉（ゆ）快（かい）な雰（ふん）囲（い）気（き）が漂（ただよ）っていた気（き）がする。晝（ひる）から外（がい）出（しゅつ）するが、わが貓（ねこ）「熊（くま）ちゃん」はもうすぐ寢（ね）てしまうだろう。

●　早上總是這樣。它在桌子的正對面使勁看我，外界稍微發出一點兒聲響，它馬上就回頭。這讓我感覺有一種說不出來的喜悅的氣氛。我白天外出，我們的貓阿熊差不多也快睡了。

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斷（だん）片（ぺん）/（名）斷片；片段

耳（みみ）に入（はい）る/（慣用）聽見，聽進去

振（ふ）り向（む）く/（他Ⅰ）回頭；回顧

気（き）がする/（慣用）心里感到；好像；總覺得

雰（ふん）囲（い）気（き）/（名）氣氛，氛圍

漂（ただよ）う/（自Ⅰ）飄蕩；洋溢

～と/（表示恒常或假定條件）一……就……，只要……就……

～てしまう/（①表示動作結束②表示遺憾或事與愿違的結果）……完……了

（彭佳敏、鄭景方、郭衛寧）

●　新（しん）刊（かん）本（ぼん）のために休（きゅう）日（じつ）でも引（ひ）き続（つづ）いて挿（さし）絵（え）を描（えが）いている。なんだか癒（いや）される気（き）がしたのはクマちゃんが殘（のこ）してくれたその雰（ふん）囲（い）気（き）だけではなく、たしかに僕（ぼく）とまったく同（おな）じ空（くう）間（かん）に居（い）たという事（じ）実（じつ）だったからだ。あの世（よ）でもクマちゃんは元（げん）気（き）かなぁ。

●　為了出版新書，我在休息日繼續畫插畫。我有一種被治愈的感覺，這不僅是因為我感受到了阿熊留下的氣氛，還有一個事實，即我與阿熊在同一個空間里。活在彼岸的阿熊還好嗎？

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挿（さし）絵（え）/（名）插圖，插畫

癒（い）やす/（他Ⅰ）治療（疾病、傷痛等）；解除（悲傷、苦痛）

まったく/（副）全然；實在

殘（のこ）す/（他Ⅰ）留下，剩下

なんだか/（副）總覺得；總有點

～だけでなく/不僅……而且……

（彭佳敏、鄭景方、郭衛寧）

●　北（ぺ）京（きん）に生（う）まれ育（そだ）ち、日（に）本（ほん）で暮（く）らしをしているぼくは妻（つま）といっしょにベルリンに住（す）んでいたことも含（ふく）めて一（いち）時（じ）期（き）神（こう）戸（べ）市（し）で二（に）階（かい）建（だ）ての賃貸（ちんたい）一軒（いっけん）家（や）を除（のぞ）けば、どの國（くに）においてもマンション以（い）外（がい）に住（す）んだことがない。その影（えい）響（きょう）なのか集（しゅう）合（ごう）住（じゅう）宅（たく）好（ず）きだ。幼（よう）少（しょう）期（き）を過（す）ごした「北（ぺ）京（きん）大（だい）院（いん）」の動（どう）畫（が）を見（み）つけた時（とき）は感（かん）動（どう）した。

●　從小在北京長大的我一直居住在日本，除了跟妻子住在柏林，以及在神戶市租住了一段時間的一幢兩層小樓之外，無論在哪個國家住的都是公寓樓。可能是受此影響，我很喜歡集體住宅。最近看到北京大院的視頻很感動，因為那里有我少年時代的回憶。

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生（う）まれ育（そだ）ち/（名）出生成長

暮（く）らす/（自Ⅰ）生活，度日

含（ふく）む/（他Ⅰ）包含，含有

賃貸（ちんたい）/（名）出租；出賃

除（のぞ）く/（他Ⅰ）除掉；去掉

～ば/（表示對未成立的事情進行假定）如果……，假如……

～においても/（表示動作進行的場合和時間范圍）在……時候，在……場合

（彭佳敏、鄭景方、郭衛寧）